はや6月、もう半年も御無沙汰してしまった。
もう90歳。それなりに日常を豊かにゆっくりと歩むことにしましょう。
長年ギャラリーを営み、若い作家さんたちには「どなたでも最初から上手な人はおりません。だんだんに成長したらいいんですよ。楽しんで作りましょう。見る人、使う人にも楽しんでいただきましょう」と励ましつづけてきた私。そんな若者たちの成長過程をじっくり眺めながらの日々は、ギャラリーのオーナーを職とするわたしにとって、思い出してもそれはそれはほのかな日々を過ごし、若い作家さんたちからたくさんの気鋭をいただいたように思います。
そんなときです。ふと、私自身も何か、作品らしきものを自分の手で創ってみたいとおもうようになりました。
「書く=(イコール)文章を作る」ということですから、わたくしも若い作家たちと同じように、下手でもいいからと思い、とにかく少しづつ、地球温暖化による大雨などで激しく変わる季節、コロナ禍によるマスク顔の悪影響、さらに多様性の時代故か、主婦作家の登場などなどなどを、昭和の目を持つおばあさんの丁寧にささやかな日常の記録としてエッセイ風に書いてみることにしました。
ふと気が付くと、なんとA5版6~7ページの小冊子のエッセイ集が№1~№16と16冊にもなっているのです。驚きました。あまり上手でもないのにと、反省もありますが、それでも気持ちは温かく、気分はすでに次号へと、高まっているようです。
ちかごろは高齢のため幅広く動き回ることができなくなりました。でも、じっとしていても自分を深く見つめ、自分のすべてを生かすことが大切のように思います。折角九十歳まで生きてきたのですから私にしかできない生き方をしてみたいと思うこの頃です。