めぐり合い30年 2024・1・1
2024年 01月 01日
私は作家さんの手作りのアート、いわゆる工芸品を商うギャラリー業。といってもごくごくささやかなギャラリーなのですが、もう三十年も近く商いを続けています。ついこの間のこと若いお客様からギヤラリーって何にするところ? と聞かれ、改めて考えてなおしてみました。
通常、ギャラリーというところはアート作品(手作りの工芸作品を含む)を展示する空間ということで、美術館との違いは、それらの作品を販売した収益で成り立っています。
私のところのギャラリーの場合は、ほとんどが生活工芸作品。作品は売れる売れないだけで選ぶのではなく、たとえそれが生活に密着した手作りの作品であっても、作り手の情熱が入つているものや「作品」から人を感じたり「作品」を通して人の生きかたが感じられようなものを選ぶようにしています。そしてそれらの作品を「ギャラリーさとう」の空間でどう見せたいか、どうやって作品の良さを目だたせばよいか、などなど考えながら配置してお客様を迎えるように心掛けています。
このように配置を考えながら作品を並べる作業はわたくしにとってとても至福の時なのです。わたくしはつねづねギャラリーというところはただ作品を売り買いするだけの場所ではなく時間や雰囲気を含めたその場の空気感を楽しむところだと思っています。
だから少しでもくつろいでいただけるようバックミュージックを流したり、お茶をお出しして気分が良い方向に向かえるような空気感を大切にしています。そんな中で作品をじっくり見ていただき、自分好みの作品とのめぐり逢いを楽しんでいただきたいのです。
ご自分の目で見て、感性に合った作品とめり合った時にはぜひ作品をお持ち帰りいただいき毎日ご自分のそばで愛でてください。ギャラリーというところは、そうゆうところなのです
そんなギャラリー業を続けて三十年。わたしの体も衰え、積極的な活動ができなくなった近頃ですが、それでもいつまでも、静かに淡々と新しい時代との交わりや、ほほえみ楽しむ心を忘れずに、お金に代えがたいギャラリーでのめぐり逢いや、まじわりを大切にぼちぼち命の尽きる日まで続けたいと願っています。
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